1996年度講座

 

公開講座

(a)物理学基礎講座「古典力学から相対性力学へ」・・・相対性力学基礎
アインシュタインは、エーテルの幻影と光の実体を見極めて、時空の相対性にたどり着きました。ニュートンを越えて自然の摂理により一歩近づき、新しい力学を提唱しました。アインシュタインの京都大学における講演から60年後に持ち上がった話題などのエピソードにもふれながら、講義を進めます。特殊相対性力学の基礎の理解に挑戦してみましょう。

(b)現代物理学の最先端
今ホットな話題を、最先端の研究を行っている講師があまりむずかしい数式を使わずに紹介します。

@「素粒子と宇宙−極微の世界の探究」・・・素粒子
物質の究極の構成粒子である素粒子の構造を調べ、それに働く力の本性を解明するのが素粒子物理学の目ざすところです。最近は、宇宙の進化の過程も素粒子を抜きにしては理解できなくなってきました。大型加速器による衝突実験や地下深くでの素粒子観測、また、理論的な研究により、素粒子についての理解がどのように深まってきたか、最近の研究の先端をのぞいてみましょう。

A「巨大実験装置による物質科学の探究」・・・実験物質科学
光や粒子線を物質に入射し、その応答を見ることにより、物質の構造やさまざまな物理的性質を物質を形づくる原子や電子のレベルまで調べることができます。用いる光や粒子線の種類により、得られる情報に違いがありますが、これらの情報により現代の物質科学は飛躍的に前進しています。加速器や原子炉から得られる放射光や中性子線を使った物質科学探究の最前線をやさしく解説します。